日差しに誘われて、キャンパス内の湖の周りへ散歩に行ってみました。
空気がひんやりと冷たかったけれど、野花が咲き乱れ、鳥のさえずりが心地良い〜
最近、ウサギの親子をキャンパス内で見かけます。
初々しい?鳥のカップルも寄り添って飛んでいます。
春は、新しい家族の季節なんだなぁと、イギリスの田舎で実感。
ということで、親への感謝の気持ちを表す言葉を探してみました。
「親思う心に勝る親心」
これは、吉田松陰の辞世の句である
「親思ふ心にまさる親心けふの音づれなんときくらん」から。
江戸で罪人として処刑の決まった吉田松陰が田舎の両親に宛てた手紙で詠んだ句とのこと。
「世話になった両親が、自分の処刑の知らせを聞いてどんな気持ちになるだろうか」
・・・という意味なんだそうです。なんか哀しい歌だなぁ。
親の子に対する愛の深さを表現した言葉だけど、
これを子が親に対して詠んでいるところが、またなんというか、
返したくても返しきれない親の恩の深さに対する畏敬の念みたいなものを感じます。
大人になると、若い頃にはあまり感じなかった親への感謝の気持ちというものが、
親の愛を受けて育った人の多くの心に、自然に芽生えるものだと思います。
子どもの頃は、親が自分を守って育ててくれることは当たり前だと思っていたのが、
自分が大人になってみると、誰かを守るってどんなに大変かと言うことに
気付かされるからかもしれないですね。
(勿論、複雑な家庭内環境や家庭内暴力、育児放棄など
個々の家庭にはそれぞれの問題がありますので、一般化はできませんが・・・。)
私の場合、少しオーバーな表現だけど、その絶対的な「無償の愛」の前で、
自分の無力感、みたいなものを覚えることすらあります。
「あー・・・この恩は、一生かけても返せないな・・・」という、まさに完敗!という気持ち。
仏教では、「父母の恩の重きこと、天に極まり無きが如し」とさえ言うんだそうです。
人に何か良いことをしてもらったら、何かお返しをしたいと思うのが
モラルある人間の行動ですが、
どんなに返したくても返しきれない恩、こいつはいったいどうしたものか。
・・・私は、別の誰かに与えていく、ということしか思いつきません。
しかし、「返す」とは、「何かをもらった相手に戻す」という意味ですから、
そもそも、「別の誰かに」という時点で、これは厳密には「返した」ことにならないわけで、
そう考えると、やっぱり、「返せない」んでしょうね。親の愛って。
もちろん、老後の介護はしっかりとやりたいと思っていますので、
まったく恩を返せないわけでは無いかもしれませんが、
むしろ、この親から受けた愛に対しては、それと同じくらいかそれ以上の愛を次の世代に与えていくべきなんでしょう。
まさに、親の愛とは、生命の営みが成せる驚異であり、
上の世代から下の世代へと延々と流れていく大いなる河のようなものだと思います。
だから、親のことを考えると、やっぱり子どもを産みたい!という考えになります。
偉大な愛の流れを私のところで堰き止めてしまいたくないからです。
一方で、自分の子どもだけにこだわるのではなくて、
より広い社会や人類の発展に貢献していくことも、
親から受けた恩に対する一つの応えにもなりうると思います。
吉田松陰は、29歳で処刑されてしまい、親より先に逝ってしまったという意味では
親不孝者かもしれませんが、彼の強い意志が、その後日本の歴史を変えていった
ことを思えば、彼の成したことも偉大なことだと思います。
ただ、自分がもし彼の母親だったら、どう思ったかな。
日本のために命を捧げた偉大な息子と思うか、
ごく一般的な人間であって良いから、生きていて欲しかった、と思うのか。
しかし、内心で自分がどう思うと、賛成しようと無かろうと、
子どもにどう生きるかという選択の自由を与え、受け止め、無条件にサポートする、
これもまた、驚くべき親の愛の成せるワザだと思っています。
これはかなり上級技だと思うので、全ての人が出来ることでは無いかもしれません。
個人的な話になりますが、私の両親は、そんな両親です。
母親は「私はこう思うけど、最後はあなたの好きなようにしなさい」とよく言ってくれます。
父親は、母親よりは少し心配性だけど、いつでも優しくサポートしてくれます。
(まぁ、さすがに私が処刑されちゃったらイヤだと思いますが・・・)
私は、そんな親の教育方針に非常に感謝しています。
現在も、親のサポートなくしては、留学を実現できるはず無かったし、
留学前のいきなりの結婚だって、びっくりしながらも温かく応援してくれました。
父親、母親の寛大さ、偉大さ、尊さにただただ頭を下げるばかりです。
普段は陰ながら応援し、困ったときは手をさしのべてくれる両親。
私もそんな母親になりたいものです。お母さん、お父さん、本当にありがとう♡
いつまでも元気でいてね!
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